糖尿病網膜症|高槻市登美の里の眼科【丸山眼科医院】

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糖尿病網膜症

糖尿病網膜症

糖尿病網膜症 Q&A

糖尿病は様々な合併症を引き起こします。その一つとして糖尿病網膜症による視力障害が挙げられます。平成19年の厚生労働省調査で、糖尿病の人、糖尿病が強く疑われる人や糖尿病かもしれない人は日本全国で2200万人を超えています。日本人の失明原因では、緑内障に次いで2番目に多く、年間で約3000人が糖尿病網膜症によって失明、もしくは極度の視力低下をきたしています。

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糖尿病網膜症の原因は?

糖尿病網膜症とはいったいどのような病気なのでしょう。目の構造の中で、カメラでたとえるとフィルムの役割をになうのが「網膜」です。糖尿病になり、糖尿病コントロールが悪いと網膜の細かい血管が次第につまりはじめ、網膜に酸素がいきとどかなくなるほか、血管が壊れて出血をおこしたります。それを繰り返すことによって、網膜の働きが悪くなり視力が低下してしまいます。

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どのような症状がみられるのでしょう?

かなり進行するまで症状がないことがあります。自覚症状としては視力低下のほか、飛蚊症(蚊が飛んでいるようにみえたり、糸くずがみえたりすること(→飛蚊症はこちら)がおきたりしますが、やっかいなのは症状が進んでも痛みがないこと。 糖尿病にかかってから網膜症を発症するまで数年から10数年とされていますが、糖尿病を放置した場合や血糖コントロールが悪い場合には、急激に進行することもありえます。

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どんな検査が必要?

内科での血糖値測定はもちろんのこと、HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)という血液検査が眼科でも重要視されます。HbA1cの数値が高いほど糖尿病網膜症を起こしやすくなり進行が早まるとされています。特にHbA1cが6.9%(NGSP値)を継続して超えていると、眼底出血を起こすリスクが上昇するとされています。
眼科の検査では、眼底検査が必須です。眼底出血や小さな血管のコブがわかるほか、血のめぐりが悪くなって網膜が白く濁ったところ(軟性白斑)や網膜の沈着物(硬性白斑)をみつけることができます。
さらに糖尿病網膜症の進行具合をみるためには、蛍光眼底造影検査を行って、網膜血管の異常を確認することも大切で診断の助けとなります。

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糖尿病黄斑症とは?

糖尿病網膜症には糖尿病黄斑症を合併することもあります。「黄斑」は、網膜の中でも視力に最も関わるところで、中心部にあります。色や形を判別するために非常に大切な部分です。糖尿病黄斑症では黄斑部に浮腫(黄斑が腫れる)すなわち糖尿病性黄斑浮腫を生じ、強い視力低下をきたすことになります。蛍光眼底造影検査やOCT(光干渉断層計)で状態を把握します。

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治療にはまず何から始めればよいのでしょうか

まずは血糖コントロールが非常に大切であることは言うまでもありません。内科治療や食事療法、ウォーキングなどの運動によって血糖値を下げるようにします。これによって糖尿病網膜症の発症を抑え、進行を遅らせることも可能です。しかし、コントロールを良くしても糖尿病網膜症がすでに大幅に進んでいると、元には戻らないことがあります。

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糖尿病網膜症の飲み薬は?

網膜血管の循環を良くする循環改善薬や、出血が多い場合には止血剤を処方することが多いほか、最近では高脂血症(動脈硬化)の治療薬に、糖尿病網膜症の進行を抑える役割があることがわかってきました。

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レーザー治療とは

内服治療にも限界があります。進行した糖尿病網膜症では、網膜に発生する「新生血管」を抑えることがカギとなります。新生血管は強い出血の原因となり、視力低下をひき起こすやっかいなもの。そのためにレーザー治療が必要になります。この治療は、新生血管が増加するのを防ぎ、新生血管を縮小させる効果があります。 レーザー治療は、糖尿病網膜症を悪化させないことであって、視力改善を目的とするものではありません。またレーザー治療を何回繰り返しても進行を止められない場合も少なくありません。糖尿病網膜症の早期発見は言うに及ばず、レーザー治療にいたらないためにも、眼科で眼底検査を受けましょう。

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手術が必要と言われる時は?

糖尿病網膜症が進行し眼底出血が多くなるほか硝子体出血をくりかえすと、重症の場合には網膜剥離を起こし、さらに進行すると失明に至ることもあります。このために必要なのが硝子体手術です。目に小さな穴を開け、そこから細い管を差し込んで、出血を取り除きます。重症の場合にはこれにとどまらず、レーザー治療を追加するほか網膜剥離の手術をあわせて行うこともあります。
ここまでしなければならない糖尿病網膜症はかなり重症であることが多く、視力回復も難しくなります。手術が必要と言われないよう、日頃のしっかりとした血糖コントロールと眼科受診を心がけましょう。

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他に新しい治療はありますか。

網膜の血行が悪くなると、網膜からVEGFという物質がでてきます。VEGFは新生血管を発生させる作用があります。新生血管は非常に破れやすく、眼底出血や硝子体出血をたびたび起こす原因となります。 このような症状を抑えるために、加齢黄斑変性に対して用いられる抗VEGF抗体製剤(→加齢黄斑変性はこちら)を目に注射する治療が、糖尿病性黄斑浮腫でも適応となっています。これはVEGFの働きを抑える薬物で、新生血管の活動をおさえ、糖尿病黄斑症の浮腫を軽減させる効果があるとされます。糖尿病黄斑浮腫には、そのほか眼球より奥のほうにステロイド薬を注入する治療法も確立されています。
当院では、精密眼底検査や眼圧検査、さらに光干渉断層計(OCT)などにより糖尿病網膜症や黄斑浮腫の存在を確かめ、レーザー治療や手術治療、抗VEGF抗体製剤治療などの適応となる場合は、提携する病院に紹介しています。

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